華氏451度

History is his story.

【SV S12最終13位】悪の萌芽に献身を

【結果】

TN スカーレット 最高2183 最終2148

最終13位

 

簡潔に。

 

【構築】

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トドロクツキ 飛行テラス

207(212)-187(+84)-107(124)-×-122(4)-150(84)

サーフゴー 岩テラス

175(100)-×-116(4)-189(+148)-112(4)-136(252)

モロバレル 炎テラス

221(252)-×-134(+252)-105-101(4)-31(最遅)

ランドロス 炎テラス

196(252)-165-127(132)-×-127(+124)-111

ウーラオス水 水テラス

181(44)-200(+252)-121(4)-×-81(4)-143(204)

イーユイ ゴーストテラス

131(4)-×-102(12)-205(+252)-141(4)-150(236)

 

【コンセプト】

対面には受けで詰める(カイリューラオスモロバレル)

サイクルには崩しで詰める(キョジオカイリューにイーユイランド)

崩しには対面で詰める(水ラオスサフゴで1ターンを勝利に変換する)

 

 

【経緯】

抽象①〜⑤

①S11環境とそれまでの環境の相違点として、「見せポケモンが強力に機能している」ことに着目した。選出しないキョジオーンやアローラキュウコンのことである。

 

②これについて考察する。

S11環境で流行していた構築は対面寄りのものが多い。

それらのポケモンは崩しや誤魔化しの性能が低く、上記のような搦手を必要とされるポケモンに弱くなってしまう。具体例は襷ウーラオス、パオジアン、フルアタ炎ポンなどだ。

 

勿論、スカーフトリックやあくびガチグマなどは誤魔化す性能は高いと言える。

しかしそれは共有知識の域にあるため、使い手も使われる側も「それでは崩しきれない/崩されきれない」と判断する。

 

よって対面側の選出が歪まされ、崩しによったポケモンを選出させられたところに対面選出を併せられ、その噛み合いが結果を残すこととなった、と結論づけた。

 

③これらを受け、S12環境ではキョジオーンや渦羽休めカイリューを代表とする「サイクル構築」が環境を席巻すると考えた。

 

 

④しかし、だからと言って対面構築の淘汰にも限りがある。受けることが難しいポケモンが増えているためだ。

受けることが出来ないなら対面で殴りきるべきだという思考は間違っていない。本レギュレーションと対面構築の噛み合いの良さは明らかではある。

 

⑤よって、「A対面構築に強い並び」「B流行ると考えたサイクルに強い並び」を六体で両立することを念頭に置き、考察を開始した。

 

 

具体❶〜❹

❶軸の決定

前述のA、Bのどちらもを高水準に満たすことが期待できる「脱出モロバレル+高火力アタッカー」を軸とした。

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アタッカーには引きにかかる負荷を評価し、物理は「エナジー叩きトドロクツキ」、特殊に「眼鏡サフゴ」を採用。

当初は「眼鏡イーユイ」を採用していたが、選出段階において動きをケアされやすかったため、イーユイには異なる役割を持たせた。(後述)

 

②軸を強く活かす

この際、モロバレルの再生力を十全に活かすため、選出のもう一枠をクッションになるように組みたい。

ここで白羽の矢が立ったのが「オボンランドロス」である。

威嚇+再生力の相性の良さもさることながら、前述のアタッカーの通りを良くしたり、バレルの「引かせる力」を活かしたりすることができる「ステルスロック」が強力だ。

また、「カイリューよりもすばやさ種族値が高い」「ひこうタイプ」であることから、遅いカイリューカバルドンに対して挑発によって相手の選出段階のプランを大きく崩すことが出来る点も魅力的である。

 

❸補完、第二の軸

対パオジアン、クッションを活かした「先制蜻蛉返り」からの展開の強力さを見込み、スカーフ水ラオスを採用した。

また、前述の眼鏡サフゴと併せることで初手投げ蜻蛉返りの行動を安定かつ強力な押しつけの択とすることができる。

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また、ここまでの五体では特定の構築のキョジオーン(眼鏡ハバタクカミやテツノドクガなどと組んでいるもの)が厳しかった。

さらに、ディンカイサフゴやドヒドイデ入りのサイクル、ママンバレルパオジアンの並びを崩せないことが問題であった。

これとは別に「顔」の問題もある。今までの並びでは初手のガチグマにあまり安定しない。誰もガチグマに強い顔をしていないのである。

 

 

これを拒否するために、カムラみがわり悪巧みゴーストテラスイーユイをラストピースとして構築を完成とした。

相手視点では眼鏡にしか見えないため初手のガチグマがやや起きづらく、またサーフゴーかメガネに見えないため、眼鏡ゴルドラによる崩しを成立させやすい。

副産物として、前期結果を残したツキバレルイーユイと並びがほぼ同じになるため、ウーラオスの拘りスカーフも警戒されづらくなる。

 

 

 

【ポイント】

"エナジーを有難がるな"

・ツキは「龍舞から通す」のではなく「エナジー込みの火力をサイクル下で押し付ける」ことを意識する。

龍舞は確実に通せる時のみ。

 

暴れて数的/ダメージレースの有利を取る→クッションに引いて再展開→威嚇やキノコのほうしから龍の舞を通す

というように、一度のエナジー+龍舞で全抜きを狙うよりも、分散させて負荷を与えた方が通しやすい。

 

エナジーの火力上昇は強力な要素であるが、なくてもツキのAは非常に高く、叩き落とすによる負荷はダメージを超えた唯一性を持つ。

エナジーは「アクロバットを撃てるようになる道具」程度の認識に留めておいて、無闇に交換を嫌うようなことをしない方が良いと考える。

 

・炎テラスランド+炎テラスバレルの並びが強い。どちらもこの構築が苦手な「炎ポン」「パオジアン」に対してマウントを取ることができるテラスである。

クッション2枚のテラスを一致させておくことで、採用率の高いポケモンへの「テラスタルによる誤魔化し」の安定化を図った。

しかし、通常の対面有利ポケモンに不利を取ることにも繋がるため、クッション2枚選出をする時は"どこでテラスを切るか"のタイミングには留意が必要だった。

 

・スカーフ水ラオス+眼鏡サフゴ+クッションの選出が強い。経緯3番を参照。

 

・スカーフ水ラオスは「スイーパー」であり「クッション」であり「積みのサポート」であり「対面操作役」である。

マルチプルな役割を選出や試合展開によって切り替えることができる、非常に万能なポケモンだった。

 

・ツキとサフゴは相性補完に優れており、お馴染み「トリック→龍の舞」はもちろん、タイプ相性を活かした交換も積極的に行うことが出来る。

 

・イーユイを通すルートがめちゃくちゃ強い。

低速のサイクル相手にはみがわり+悪巧みの成立が格段にしやすく、仮想敵であったディンカイサフゴ、ドヒドイデ絡み、ママンバレルパオジアンには高い勝率を出すことができた。

 

【選出パターン】

ラオス+サフゴ+ランドorバレル

スカーフ眼鏡で攻めるサイクルを形成。クッションを絡めて二体にかかる負荷を軽減する。

 

一派生系:ラオス+サフゴ+ツキ

ラオス+サフゴ+ツキのタイプ補完の良さを活かし、蜻蛉返りなどから繰り出して相手サイクルに高火力叩き落とすの負荷を掛ける。

 

・ランド+バレル+イーユイorツキ

サイクルをしつつ削りを入れて起点を作り、積み技から展開を狙う。

勿論前述の通り、有利対面が出来たら一匹持って行ってから引いてエースを再展開してもいい。

 

・ランド+ラオス+ツキorイーユイ

積みの通りが極端に良い場合に行う。ステロ挑発で起点を作り全抜きを狙う。

スカーフラオスは取りこぼしをスイープしたり、ランドの不利対面をカバーしてくれるなど、この選出では補助的な役割を担った。

 

 

【総括】

非常に残念な結果となった。

8:45までは1位を保つことが出来ていただけに、最終戦に勝利出来なかった自分の不甲斐なさにやり場のない感情を抱えている。

 

ランクマッチに潜るということは一月の精神的・肉体的QOLを損なうことと同義であり、思うような結果が出なかった時の喪失感は半端なものでは無い。改めて、目標のために努力する全てのプレイヤーに敬意を示したい。

 

ポケモンSV、努力のゲーム。だからまだ辞められない、到底。

 

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