華氏451度

History is his story.

【SV S7最終6位】悪の哲学、英雄の美学

【結果】

tnエストレイマ 最終6位 最高最終2125

tnともさね 最終37位 最高209× 最終2050

 

【使用構築】

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【構築コンセプト】

・パオジアンをカモにする。

・対面構築に対して高い勝率を維持する。

・交換ボタンを強く使う。

・キョジオーン絡みに確実に勝つ。

 

 

【構築の構造】

エース:f:id:Claris_bradbury:20230701223434j:imagef:id:Claris_bradbury:20230701223600j:image(f:id:Claris_bradbury:20230701223451j:image)

引き先:f:id:Claris_bradbury:20230701223451j:imagef:id:Claris_bradbury:20230701223500j:imagef:id:Claris_bradbury:20230701223600j:image

崩し:f:id:Claris_bradbury:20230701223509j:imagef:id:Claris_bradbury:20230701223608j:image

 

 

 

【構築経緯】

・ひとつの前のシーズンであるシーズン6では、初手から高い負荷を掛け相手の受け行動を弱く使わせる構築が結果を多く残していた。

具体的には初手ディンルーのまきびし+ステルスロック展開、カイリューの飛行テラスタル、カタストロフィ+草テラバパオジアン、鉢巻悪テラスパオジアン、鉢巻ガブリアスやダイスガッサのテラスタルなどが挙げられる。

 

・ここで、シーズン7ではそのような構築に強い並びが増えヘイラッシャが減少すると考えた。

考えられるものとしては、まず引き先を作らない対面構築である。

また次点で交換という行為を攻めの行動に繋げることが出来る「テツノカイナ」「キョジオーン」「ハッサム」入りなどが考えられた。

 

 

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・上記の構築に対し無類の強さを発揮する「残飯ビルドイルカマン」を構築の始点に決めた。

 

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・イルカマン入りなので引き先を考えた。ここで大事なのは「引きの行動を強く扱う」ことである。ここで注目したのがゴツメサフゴだった。

 

噛み砕くのないパオジアンに対して非常に安定した役割遂行を担うことが出来る。並びを工夫することで、イルカをチョッキ格闘テラスに見せかければ交換際の噛み砕くは(悪テラス鉢巻以外)打たれないため、相手視点見えない引き先として活躍する。鉢巻悪テラスは後述の動きで完封できる。

 

・特性で補助技に対して全対応し、初手で仕事をされがちなコノヨザル、キノガッサ、パオジアン(後述)に対して特異的な強さを発揮できる。

「電磁波」を入れてエースに繋いだり、高い特攻を活かして相手を削ることでイルカの通りを良くしたりと、場を荒らす性能が光る。

 

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・次いで、イルカサフゴがどちらも苦手な相手である「イーユイ」「サフゴ」に対して強いクッションを探した。これを満たし、かつイルカと相性が良い「ステルスロック」を覚えるディンルーを採用。

「挑発」「カタストロフィ」を採用することで相手の回復を封じ、イルカマンの遂行速度を早めることが出来るのも魅力である。

 

 

・この三匹の並びをもって基本選出とした。初手のパオジアンへの対応度が非常に高いのが魅力である。

 

初手のパオジアンには「サフゴ引き」をすればつららおとし+噛み砕くを耐えつつ対面突破、噛み砕くがない場合は相手のパオをほぼ腐らせられるのでその対戦は2vs3(こっちはイルカが変身済み)でゲームをすることが出来る。

 

交換際に鉢巻砕くを打たれた場合はディンルーでステルスロック展開を充分に行うことが出来る。再度戻ってきたパオがつららで処理してくれた場合などはイルカマンのガン起点となってくれるため、これもまた美味しい展開である。

 

 

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・上記の3匹で対応不可能な並びについて考える。面倒に感じるのは「ロトム水」「テツノツツミ」「モロバレル」「イーユイ+ヘイラッシャ」である。

これらに対し相手視点見えづらい安定した役割遂行を担うことが出来、イルカなしでもエースになりうる高速/高火力/高耐久アタッカーとして「突撃チョッキハバタクカミ」を採用した。

 

・この四枠の対応範囲が非常に広く、スタンダードな構築に対して選出に困ることがなかった。

そのため、残りの2枠は特殊な並びへの対応と選出圧力により相手の行動にこちら視点での再現性を持たせるポケモンを採用することにした。

 

 

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・前述したように、「イルカマン」を突撃チョッキだと思わせたいと考えていた。

チョッキイルカを対策してくる動きに残飯ビルドイルカは刺さるし、何よりチョッキは格闘テラスが多いため、初手パオイルカ対面でサフゴの生存率が上昇する(=悪技を打たれにくい)ことに繋がる。

そのため、まずチオンジェンを採用した。チオン+イルカという並びはかねてより存在しており、自然な並びを形成することが出来る。

 

受けループや、ミトムドオーなどの低速サイクルに役割を持ってもらうために「挑発やどみがcsチオン」を採用した。

打たれ弱いポケモンだが、特殊受けのカミや物理受けのサフゴと併せて出すことである程度普通の構築に対しても崩しの枠としてカウントすることが出来る。

 

 

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・最後の枠には「テラスに依存しないスイーパー」「崩し枠」「イルカと役割集中で物理受けを崩し切れるポケモン」を欲した。

また、構築単位で地面の一貫が切れておらず、相手視点安定行動を取らせてしまう点が非常にネックであると感じた。

この二点を解消することができる「鉢巻カイリュー」を採用。

 

以上で6匹の並びが完成した。

 

【個体解説】

イルカマン@食べ残し 意地っ張り 妖テラス

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205(236)-210(+84)-132(116)-113-113(44)-124(28)

A:ステロと+1ジェットパンチで前期二位のハバタクカミを確定

 

ジェットパンチ/テラバースト/ビルドアップ/みがわり

 

H:4n+1

S:ガッサ抜き抜き

D:テラス後チオンジェンの炎テラバを身代わりが有利乱数で耐える(=水タイプであくのはどうを有利乱数で耐える)

B:残り

 

・軸。ビルドを積み身代わりを残し、ジェットパンチで全てを破壊する。対面構築への回答であり、コンセプト通り高い勝率を維持することが出来た。

 

特殊方面は意外に脆いため、身代わりで様子見を本当にしてもいいのか、積む必要が本当にあるかを吟味しながら立ち回る必要がある。

 

・残飯イルカと言えばどくびしと組むことでパワーを発揮すると思われがちである。

そこでどくびし要員を採用しなかったことと、チオンジェンと組ませることで食べ残しの警戒を薄れさせたことでより刺さりが良くなっていたと考えている。

 

・ヘイラッシャに無抵抗であるため最初は選出を避けていたが、サフゴやディンルー、ハバタクカミの並びである程度削ってからイルカを通すルートがあることに気づいてから選出の幅が広がった。

 

サーフゴー@ゴツゴツメット 図太い 水テラス

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193(244)-×-161(+252)-155(12)-111-104

ゴールドラッシュ/たたり目/電磁波/自己再生

 

HB:特化

削り性能を上げたいので残りc

 

・軸。ほぼ全ての試合に選出し、全ての試合で腐ることがない最高のポケモンだった。

イルカマンにテラスを切る前提で選出こそするが、後述のディンルーと併せて相手を荒らす性能が高いため、イルカマンがフェアリーテラスを切る必要がなさそうな試合では積極的にサフゴにテラスタルを切った。

 

・この構築で唯一の純粋な再生技持ちなので、TODによる勝ち筋は全てサーフゴーを軸に行われる。

 

キノガッサ、コノヨザル、パオジアンなど隙を見せたくない相手に有利をもって立ち回れるため、対面構築への勝率を底上げすることに寄与してくれた。

この型はゴールドラッシュを切っているものも散見されるが、この並びにおいては対パオカミなどを意識する上で必要不可欠であったように考える。

 

ディンルー@オボンのみ 腕白 毒テラス

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261(244)-131(4)-176(116+)-×-116(124)-68(20)

地震/ステルスロック/カタストロフィ/挑発

 

HB:11nでできるだけ高く

S:カバ抜き

HD:余り

 

・軸。サイクルに対して選出し、カタストロフィ+挑発+ステルスロックで削りを入れてイルカやサフゴの圏内に押し込む。

サーフゴーと併せることでパオジアンの一致ウェポンを半減にできるのが魅力的だった。

 

・イルカマンを選出しない際に重たくなってしまうキョジオーンや、二匹目に出てくるカバルドンなどに対して挑発がよく刺さり、数多くの勝利に貢献してくれた。

想像を超えることはないが、常に想像通りの活躍をしてくれた。

 

ハバタクカミ@突撃チョッキ 控えめ 炎テラス

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151(164)-×-79(28)-198(+196)-156(4)-170(116)

ムーンフォース/シャドーボール/サイコショック/マジカルフレイム

 

HB:ガブの地震87.5%耐え

HD:176ツツミf:id:Claris_bradbury:20230701224842j:imageの水テラスドロポン99.7%で2耐え

C:無振りツツミをムンフォで確定

 

参考:【SVシングルシーズン7】往古来今デスワーム【最終48位/2041】 - みがわりすこすこ倶楽部

 

・最高のチョッキポケモン。最終盤の勝利の数多くに貢献してくれた。

特殊受けであり、エースとしての運用もできるアタッカー。無効タイプ3つもサイクルをする上で大事な要素であると考える。

 

・相手視点でツツミがどう考えても受かっていない構築であるため、呼んできたツツミを確実にカモにすることが出来て非常に強力だった。

他にもスカーフサフゴのゴルラを耐えつつシャドーボールで倒したり、誘い込んだドクガや眼鏡イーユイを処理したりなど想定外の活躍を見せてくれた。

 

・脱出パックモロバレルに対して、マジカルフレイムで大幅に削りつつ帰還させることで次の炎マジフレが受からなくなる。

イルカ+カミがモロバレルを強烈に誘い込むので、構築との噛み合いがとても良く、モロバレル入りに一度も負けなかった。

イルカマン以外での処理がもたつくディンルーやテツノカイナに抜群を取れる点も構築との相性が良い。

 

 

カイリュー@拘り鉢巻 意地っ張り ノーマル

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198(252)-204(+252)-116(4)-×-120-100

神速/逆鱗/地震/けたぐり

 

地面の一貫切り。「カイリューが」地面の一貫を切っていることが重要であると考える。

隙を見せると試合が終わりかねないポケモンであるため拘り地震の牽制になったり、竜舞カイリューをケアした選出を強制させたりすることでカミやサーフゴーなどの特殊が通りやすくなっていた。

 

イルカから引いて神速で削り、ジェットパンチで対面を倒したり、ミトムやヘイラッシャを誘って削りを入れつつテラスを強要したりすることでイルカマンを通すルートを確立する。

 

 

 

チオンジェン@黒い眼鏡 臆病 悪

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161(4)-×-120-147(252)-155-134(+252)

あくのはどう/ヤドリギの種/挑発/身代わり

 

C:テラスタルあくのはどうでH244等倍テラスサーフゴーを99.6%で2発

S:サーフゴーを安全に抜く&カイリューなどに対しても上を取れていれば崩しを行うことが出来るため最速。

 

147黒い眼鏡+悪テラスタル+あくのはどうでH244サーフゴーを99.6%で二発で落とすことができるようになる。

隠密サーフゴー入りの受けループにテラスタルを切られると受けを崩しきれない懸念があったのでこのような型での採用となった。モロバレル入りの受けループにも強い。

ドオーミトム+アタッカーなどのサイクルに対しても、物理受けのサーフゴーと特殊受けのカミと一緒に出すことで崩しを担うことが出来る。

 

【選出】

・イルカ+サフゴ+ディンルーorカミ

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基本選出。ツツミ入りにはカミを選出する。パオ、コノヨにはサフゴ引きから対応する。

 

・カミ+サフゴ+ディンルー

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基本選出2。物理受けが多く、イルカの通りが良くない構築にカミサーフゴーを通していく選出。

サーフゴーが要となるので、テラスタルを積極的に切って生存を狙っていく。

 

・イルカ+カイリュー+サーフゴー

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物理での役割集中を狙う選出。ヘイラッシャ/ミトムなどをカイリューの鉢巻逆鱗によって削り、テラスを強要させてイルカを通す。

 

・チオンジェン+サーフゴー+カミ

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ドオーミトムのようなガチガチの低速サイクルに対して行う。

チオンジェンは型の関係上脆くサイクルが回しづらいが、物理受けのサフゴと特殊受けのカミのおかげで崩しに集中することが出来、パワーの高い選出だった。

チオンジェンというよりは鉢巻悪ウーラオスのようなイメージ。

 

・サーフゴー+チオンジェン+カイリュー

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対受けループ選出。ゴチルゼルをケアしてサーフゴーから入る。

 

【総括】

お疲れ様でした。

 

 

【Special Thanks】

ぼんこふ

 

 

ありがとうございました。