華氏451度

History is his story.

【SV S28最終36位】穢翼のユースティア

【はじめに】

あした天気になあれ。そんな子供の夢を体現する、エンドレスデイライト構築です。

【使用構築】

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【結果】

tnミドラーシュ 最終36位

tnクゥリ 最終 ××

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最後まで伝説が定まらず、黒バド、コライドン、ミライドン、ムゲンダイナと構築を変え続けていました。最高レートに到達した構築である鉢巻コライドン軸を本記事には記載します。

ポケモンのイラストは転寝みるく様のものを使わせていただいております。

【構築経緯】

ブラッキー+ハバタクカミ

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ブラッキーを使いたいと考えました。ブラッキーは上位50匹のポケモンのうち49匹に対面不利を取ってしまうし、誰も倒せないポケモンであるのですが、代わりに「毒+守る+願い事」で相手を裏の圏内に確実に押し込むという行動はできます。

全てに弱いということは、全てを削ることが出来るということを意味してもいるのです。(逆・役割集中)

・中でも対黒バドレックスや、(挑発を絡めて)受け系の並びに対しての性能は光るものがありました。

そこで今回は瞑想エナジードレキスハバタクカミと組ませることにしました。

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「こだわり黒バドレックス」に対してはあくタイプのブラッキーが、それ以外に対してはカミで起点にする動きによって黒バド軸に勝率を担保できると考えました。vs黒バドは伝説枠+ブラッキー+ハバタクカミで善戦出来そうです。

・当然、これらをザシアンとコライドンに選出することは厳しいと思われます。

残りの4体で「黒バドには勝てない」が、「それ以外には勝てる構築」を作ろうと考えました。

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②対コライドン、ザシアン

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ゴツメランドロス+鉢巻フェアリーテラスコライドン+ハバタクカミ受けは相手のコライドンとザシアンに有利を取ることが出来ます。

・ハバタクカミを受けて切り返す枠としてはチョッキママンボウとHDキョジオーンなどが考えられました。

今回は「拘り鉢巻」が透けてしまわないようにキョジオーンを採用することにしました。さすがにママンボウではコライドンの拘りが透けてしまいそうです。

・コライドンがウーラオスに強く、ランドロスがじめんタイプに強いことで、テラスせずに動かしやすい点で並びとしての適性が高いと考えました。

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・キョジオーンはハバタクカミ受けとしては貧弱です。メガネムーンフォースに押し切られてしまいます。しかしコライドンとの攻めの役割補完に優れていますし(ヘイラッシャに強い点など)、電磁波カミに抜けて強いことは他特殊受けと比べて評価できると考えました。HDに振り切っているので、瞑想+痛み分けなどの型にも単体で強く出ることが出来ます。

・近年のハバタクカミはエナジー+瞑想型やフェアリーテラス+メガネ型が増加傾向にあります。そのため、「コライドンに投げるハバタクカミ」は電磁波などに寄ってきているように考えました。この点では、ママンボウよりもむしろキョジオーンの方が対策枠としては適当なように思われます。

・余談ですが、黒バドレックスとミライドン構築の方では相方にチョッキママンボウを採用していました。

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③対ミライドン、サイクル構築

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・ここまでで、対ミライドンに不安を残したままです。コライドンのフェアリーテラス+ランドロス(地面)はミライドンに対して強い動きとなりますが、ランドロスはあと投げしたところで相手はテラバーストに打ち変えれば解決するので「地面タイプ」としての圧力は皆無に等しいです。(実際のミライの型に関わらず、ランドロスがミライドンに対して圧力を持っていない、ということは多くのプレイヤーにおける共通理解でしょう。)

・すると、ミライドンコライドン対面では気分でイナズマドライブをされかねません。するとせっかくのフェアリーテラスを貫通され、突破されてしまう恐れがあります。

そこで、イナズマドライブへの抑制としてディンルーを採用することにしました。ディン入りの構築に対してコライドン対面でイナズマドライブをするとはさすがに考えがたいように思われます。

「選出画面にいること」のために採用されたディンルー、ここまでで勝てない相手へのメタを貼った型にするべきでしょう。既に基本選出は完成しているのですから、パターンを増やして構築の形を崩すのは望ましくないと考えました。

・そのため、ルギアやホウオウなどの受け系統の構築やムゲンダイナ+ディンルー+グライオン構築への解答として「氷テラバースト+ちょうはつ+ステルスロック」型での採用としました。

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グライオンはディンルーとの対面において、確実に身代わりを置かないターンが発生します。吹き飛ばしを考えるとグライオン側は「ちょうはつ」「叩き落とす」「毒々」以外の選択肢は意味が無いでしょう。

であれば、対面した瞬間に氷テラバーストを押すことでグライオンを処理してゲームに勝てるのではないでしょうか。少なくとも、グライオンの採用されているムゲンダイナ構築にディンルーを投げる理由があるだけで相手しやすさは相当変わってきそうです。

④毒菱、ムゲンダイナ受け対策

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・次いで、毒菱を回収できないことに不安を覚えました。コライドン軸は毒菱が一貫しやすく、この点に着目してコライドン対策をしている構築も存在しているほどです。であれば、毒菱を回収できるポケモンが欲しいと考えました。

・注目したのはガラルヤドキングです。「寒いギャグ」は後攻対面操作技というだけでなく、天候ターンをリセットできる点でもコライドンと相性が良いと考えられます。ギャグで雪にしてすぐに晴れにすることで、晴れが永遠に続くのです。エンドレスデイライト。

・ガラルヤドキングの中では一般的な型であるヘドロトリックで採用しました。通称、アーボックZ。ヘドロをトリックされ残飯を失った相手は倍逆食べ残し(夜マック)となるのです。

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挑発+サイコノイズ+ヘドロトリックによって、低速受けポケモンに負荷を与えコライドンを通しやすくする役割を担います。

当初は締めつけバンド+渦潮でムゲンダイナ対策としていました。しかし普通にターンが足りずにダイマックスほうで押し負けてしまうのです。怠けるを採用するスペースはなかったので、ヘドロトリック型に落ち着くことになりました。

⑤最終調整

・ここまでで、構築が7匹になってしまいました。誰かが船を降りる必要があります。

役割が被っているのは明らかにキョジオーンとブラッキーでした。そしてブラッキーには不幸なことに、キョジオーンの方が役割への遂行は確実ですし、選出機会も明らかに多かったです。

・よってブラッキーを外して、6匹の並びが完成です。ブラッキーにはリーグカードに移動してもらうことになりました。

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・構築が完成しました。

【個体紹介】

コライドン@拘り鉢巻 テラス:妖

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インファイト/フレアドライブ/蜻蛉返り/テラバースト

175-187(252)-136(4)-×-120-205(+252)

S:135族意識最速

・最強蜻蛉返り使いです。このポケモンの行動回数を増やすことが本構築の目的となっています。

・フェアリーテラスは一貫しやすいテラバーストとしてもそれなりに使いますが、どちらかというと耐性テラスとしての側面が強かったです。

・コライドンミラーでテラスを切ってインファイトを押すと、スケイルショットを無効化しつつ一匹倒すことが出来ます。テラス後も不意打ち半減でありパオジアンに強い点が使いやすかったです。

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・メジャーなテラスがじめん弱点であることから、相手のテラス有無両対応のような行動に裏目をつけることが出来ました。他テラスに比べ水ウーラオスにさらに強くなる点も、キョジランドと組む上で見過ごせない評価点でしょう。

ランドロス@ゴツゴツメット テラス:炎

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じしん/ステルスロック/挑発/蜻蛉返り

196(252)-166(4)-156(+252)-×-100-111

HB:物理受けとしては数値が足りないのでHB特化をしています。

・物理へのクッションとして採用しました。コライドン・ザシアンだけでなく、ミライドンに対しても選出することが多かったです。

・フェアリーコライドン+ランドロスでミライには強く出ることが出来ます。ランドロスは地面枠でありながらワダチ・ハッサムに強い点が他のじめんタイプとの差別化点でしょう。

ステルスロック+蜻蛉返り+鉢巻コライドンで攻めのテンポを失わずに相手のサイクルを崩すことが出来ます。

挑発は相手の再生技を止めることで負け筋を潰したり、ヘイラッシャの欠伸を止めつつコライドンを投げることで押し切ったりと活躍は枚挙に暇がありませんでした。このポケモンの紛れもない強みだと思います。

・テラスはザシアン/コライドンを意識して水か炎にしたいです。本構築はメガネハバタクカミが厳しいので炎テラスとし、少しでも誤魔化せるようにしました。

ハバタクカミ@ブーストエナジー テラス:妖

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ムーンフォース/ドレインキッス/瞑想/甘える

151(164)-×-99(188)-172(132)-156(4)-173(+20)

C:+1状態でD4黒バドレックスにテラスドレキスが100-118ダメージ(回復が75-89)

HD:+1状態でC252+1アストラルビットが94-112ダメージ

→黒の嘶き発動時に、死に出しからテラス瞑想で起点に出来る程度の特殊ラインを確保しています。

・穢翼。バドレックス構築に対して3体目に投げ、スイープを狙います。

一度展開すると3タテも珍しくなく、単体として高いパワーを感じました。コライドンと共に投げることで、一度(晴れ下で)エナジーを消費せずに対面処理を行い、引いてから最後にスイーパーとして使う動きが強かったです。

・とはいえ、チョッキディンルーがどうあっても厳しい点や、二体目に出させられてしまうと「ふきとばし」ディンルーで簡単に負けてしまう点、「ちょうはつ」がないことで相手の搦手に弱い点など弱点も多く目立ちました。なによりヘイラッシャがどうしようもない点が気になります。

・型のポテンシャル自体は感じた1匹でした。対面構築のラスイチ枠での採用が最もパワーを引き出せそうに考えています。

キョジオーン@食べ残し テラス:草

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塩漬け/みがわり/自己再生/守る

207(252)-120-150-×-154(+236)-58(20)

HD:黒バドの201メガネサイコキネシスを食べ残し+守る+自己再生でギリギリ受けられるくらい

S:4振り35族意識

・HD草キョジオーンです。カイオーガ/黒バドレックス/テラパゴス/受け構築などに強く、選出の機会は多かったように思います。

・相手に見えづらい特殊耐久による詰ませや「みがわり+守る」によるTOD勝利など、本来厳しいマッチアップを数多く拾うことが出来ました。

・選出した際は常にTODによる勝ち筋を見据えておくべきであると考えます。

・高いパワーを感じる型である反面、使用する際には1ヶ月付きっきりで構築単位での研究がマストとなると感じました。練度負けする試合も多くありました。自分にはまだ扱いが難しいポケモンです。

ディンルー@オボンのみ テラス:氷

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地震/テラバースト/挑発/ステルスロック

245(116)-149(148)-165(+36)-×-115(116)-77(92)

A:179-154グライオンをテラバーストで確定1発(前期の最終1位のグライオンを余裕を持って落とせる)

HB:陽気パオのつららを2耐え

S:ミラーで上から挑発を押すために高め

HD:残り

ミライへの行動抑制、受け対策です。テラバーストはグライオンよりもむしろ、ランドロスへの打点として重宝しました。

・S振り+挑発により相手のディンルーの展開に強く、キョジオーンの「みがわり」と合わせることでドラゴンテールムゲンダイナをカモに出来るため勝率の向上に関与してくれました。

・挑発シルクアカツキガチグマと差し替えて使っていたのですが、ガチグマはミライドンへの圧力とならないので、ディンルーのほうが構築の方向性としては正しかったように感じています。

ガラルヤドキング@くろいヘドロ テラス:毒

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サイコノイズ/寒いギャグ/挑発/トリック

 201-(244)-×-102(12)-130-178(+252)-50

HD:役割対象がムゲンダイナやルギアなので特化。一応目安として、黒バドレックスの抜群アストラルビットであれば耐えます。

参考

【ポケモンSVシングル】 S21使用構築 最終200位 レート2004.465 正道コライカミ - 駄目人間草子

ギャガー(ギャグを言うもの)。

毒菱回収ポケモンです。再生力+対面操作技、天候管理、受けポケモンに強い技の数々によってコライドンとの相性が抜群に良いと思われます。

最終日はキラフロルとのマッチング回数が多かったので、一枠割いて採用するだけの価値はありました。

・テラスタイプの毒は持ち物による消極的選択に見えますが、ハバタクカミにかなり強くなること、ルナアーラへの耐性テラスになることなど、選出する相手に対する解答になりやすい耐性変化であったので、正しかったと考えています。

・吹き飛ばしルギアに対して挑発+寒いギャグを押し続けることで不死身となり、TODが可能です。

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・締めつけバンド+渦潮挑発/電磁波+毒菱/未来予知+あくび/悪巧み+サイコノイズなど様々な技やアイテムを試しましたが、この型が1番無難で使いやすかったです。他の候補はしっぽトリックとか。

・狙いの的トリック+毒々は毒/鋼タイプを毒状態にすることは出来ないので注意が必要です。

【選出】

vsコライドン 有利

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初手ランドロス、後発コライドン、キョジオーン

鉢巻フェアリーテラスタルはミラーでかなり強い型であり、ヘイラッシャの受けも拒否しているので有利です。

・もちろんキョジオーンにカミ受けを任せている以上、メガネフェアリーテラスハバタクカミが出てきてしまうと厳しくなります。ミラーに選出されるポケモンではないと考えていたため、ある程度割り切ってプレイしていました。

 

vsミライドン 有利

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初手コライドン、後発ランドロス、@1(取り巻き次第)

・フェアリーコライドン+ランドロスで有利を取れます。物理受けであるテツノカイナにも鉢巻テラバーストは一貫するため、炎テラスを要求してランドに引いてからサイクルをすると有利に戦うことが出来ます。

・@1はキョジオーンが最も多かったです。

 

vs黒バド 不利

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初手コライドン、後発キョジオーン、ハバタクカミ

・組み始めなのにも関わらずあまり勝てませんでした。さすがにキョジオーンで全てを解決しようとしすぎた。

・瞑想甘えるドレインキッスハバタクカミは強力ですが、対面構築に採用した方が活躍してくれそうです。

 

vsザシアン 微有利

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初手コライドン、後発キョジオーン、ランドロス

 

・有利という想定で組みましたが、そもそもザシアンの地面テラバースト持ちがおらず、フェアリータイプへの変化があまり恩恵となりませんでした。

・とはいえ取り巻きも込みでワンパンできるのでランドロスのhpにさえ気をつければ有利ではあります。

 

vsテラパゴス 有利

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初手コライドン、後発キョジオーン、ガラルヤドキング

・メガネか残飯かある程度見極める必要があります。毒菱がいなければガラルヤドキングを適宜他のポケモンに変更してください。

・キョジオーンによるTOD勝ちも多いので、タイマー必須です。

 

vsルギア かなり有利

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ガラルヤドキング、ディンルー、コライドン、キョジオーンから3体

・かなり有利です。

挑発を絡めることで吹き飛ばしと自己再生を封じてしまえば、コライドンで攻撃するだけで楽なゲーム展開を見込めます。

 

vs受け 微有利

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ディンルー、コライドン、ガラルヤドキング、キョジオーンから3体

・有利ではあるものの、常にTODによる負け筋を意識して動く必要があります。有限ポケモンのhpを削らないことを徹底します。

・キョジオーン+ディンルーの構成により、グライオンの被選出率が高かったのでそこに氷テラバーストを合わせていくような立ち回りを意識していました。

 

vsカイオーガ 不利

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コライドン、ハバタクカミ、キョジオーン

・草テラスキョジオーンで勝てるように見えますが、さすがに相手側も理解しているため択や選出を合わせられることが多く厳しかったです。

 

vsルナアーラ 無理

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・何出してもだいたい勝てません。こだわりであることを祈りますが、それでも勝てません。ガラルヤドキングで頑張りました。

 

S28の最終日はカイオーガルナアーラとのマッチングが非常に多く、厳しい環境でした。


【総括】

S28お疲れ様でした!

構築を信じきれず、最後まで伝説を固定出来なかったことが悔やまれます。

4月はGWで最終日の朝が休みなので、リベンジしたいと思います。

 

ミドラーシュ

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穢翼のユースティア

穢翼のユースティア Official Web -Main Page-


【スペサン】

・鉢巻コライドン+ガラルヤドキング+エナジー甘える瞑想ハバタクカミの並びを共に研究したゆでじろうさん

・ハンネを貸してくれたクゥリさん

・個体育成、構築相談、サウナ、鍋に付き合ってくれた湊未来さん

・クソコラ提供の十六茶

 

ありがとうございました。