(サムネ用)
①上位層の構築の特徴について考える
往々にして、強いポケモンの強い型の中にメタ(敢えて言うなら地雷)要素が含まれている。
何故地雷要素が勝てるか?
→イージーウィン出来るから。
しかしながらピンポイントではないか?
本来の役割が遂行しにくくなるのでは?
→対人ゲームは読み合いであり、相手に読まれないということはそのまま勝ちを意味する。
トゲキッスがいい例である。
従来のトゲキッスは「飛行・妖・炎」の技範囲を持っており、パッチラゴンなどを役割対象に入れていた。
しかしながら回復技がないため、ダイマを切らないと強くなかったり、起点範囲が狭いという問題を抱えていた。
しかしながら、s6で上位の方々が使われていた「アッキキッス」は、フェアリー打点がない。
これにより、バンギラス・パッチラゴンなどに完全な不利を取ってしまうようになったものの、起点範囲が飛躍的に拡大し、ダイマせずとも強く、サイクルに適性があるような型になっている。
つまり、強さのベクトルが変わっていると言える。
②この言葉に説得力を与えるため、以下にメタを入れなかった場合を考える。
汎用的な型のふたつが対面する。この時、両者の勝率は立ち回りに依存することになる。
しかしながら、八世代においてはダイマックスが存在し、言い換えればこれは毎ターンダイマ択が存在していることになる。
「タテの世界線」ではなく、択によって分岐し続ける「ヨコの世界線」であるため、常に裏目が存在する。その全てを読み切り対応するのは不可能と言える。
よって、極端な話噛みあいであり、これが八世代環境において「安定して勝つ」ことを難化させている。
しかしながら、メタ要素を組み込むことで、択を省略することが出来、噛みあいに依存せず勝利を手にすることが出来る。
いくら読みが上手くても、全てに対応することは不可能である。
よって、汎用的な型のみで構成されたパワーの高い構築よりも、若干パワーを落としてでもメタ要素を孕んだ構築の方が勝率が高くなるのである。
③これらを踏まえて、さらに勝つための工夫を考える。
②の話を踏まえると、八世代環境には常に択が存在し、マトモにやれば噛み合い(50%)ゲーと言うことになる。
噛み合いという偶然を如何に必然に近く昇華出来るか、これが勝ちの鍵だと考えられる。
その為の手段として、さしあたってみっつが挙げられる。
一つ目は「統計を取ること」である。
例えば、ある構築βにおけるAとBの対面において以下のように仮定する。
70%の確率でγという行動を、30%でΔという行動を取る。
この時、γであればこうしたい、Δであればこうしたい、という択になっているが、統計に従えばγを読む方が勝率は高くなるのである。(70>50なので)
さらに、この行動はプレイの安定化(≒負け続けてしまうことの減少)に繋がる。
二つ目は「行動の言語化」である。
負け試合は言語化する人が多いと思う。しかしながら、勝ち試合も言語化することで勝率の向上を見込めると考える。
例えば、こんな試合。
勝った。
→物理ドラパルトを通して勝った。
→しかしながら、ドラパとギャラドスの対面でギャラドスにダイマックスを切られたら負けていた。なのに相手は引いた。
→なぜ相手は切らなかったのだろう?
→特殊型を警戒したからじゃないか。
→相手の視点だと自分の構築は特殊ドラパルトに見えるのだろう。
→ならば、ナットレイにドラパルトを繰り出せば、相手は特殊型であることを確信し、引くか守るかをしてくれるのではないか。
→ならば、ドラパルトをナットレイに繰り出して龍の舞を積むことが出来るのではないか。
(*あくまで一例)
とすると、このプレイヤーは勝ち筋のレパートリーをひとつ増やしたということになる。
他にも、「〜をされていたら負けていた」という思考は、負け筋を理解しそれを潰す上でも役に立つ。
これらの理由により、勝ち試合でも振り返りを忘れないことは確実に勝率の向上に繋がると考えられる。
三つ目は、慣れること、である。
あるいは潜り続けることと言ってもいい。
この"慣れる"というのは、自分にとって高い順位帯での対戦に慣れるということである。
例えば、1の勝ち越しに与えられるレートを10と仮定する。
この時
10(3-1)=10(12-10)=20
なので、3勝1敗(勝率75%)と12勝10敗(勝率54.54%)は得られるレートが同じである。
であれば、勝率が5割を超えていれば理論上一位に到達することは可能である。
であるにも関わらず、最終三桁、二桁、況や一桁、一位などはあまりにも敷居が高く、難しい。
その理由はこれである。「慣れていないから、潜れない」
初めて自分の目標を達成した時のことを思い出して欲しい。
私は、はじめて三桁に足を踏み入れた時などは、三日は潜ることが出来なかった。
しかしながら、今では三桁まで「溶かした」と形容し、その順位帯ではかなりリラックスしながら潜っている。(保意はない、あくまで一例である)
それは、そこに居る時間が増えたからである。偏差値70をとったあとに、偏差値65でガッカリするのと同じ論理である。世間的に見ればどちらもすごい。
だからこそ、挑むことが大事であるように思う。
ここまでは来れた、ここまでは来れる。その感覚を徐々に伸ばしていく。
そうすれば、一度や二度の負けでは動じない。
「負けちゃったけど、あそこまで戻すのは難しくないからいいや」という感情を持てるからである。
最初は10cmの穴を飛ぶ。20cm、30cmと増やしていく。
いきなり深い穴は厳しいけれども、徐々にクリアしていけば、過去にクリアしたものなどなんてことないということだ。
④総括
「どうして?」は、向上における最も力のある言葉だと思う。
結果には理由がある。理由を解明し、それを用意することが出来れば、ポケモンに限らず結果は伴うと考えられる。
前々から思っていたことを言語化出来て楽しかった。通話してくださったれみさんに感謝。