【結果】最終56位
【TN】めろーる
【概要】
①構築経緯・意図
②個体紹介
③選出、立ち回り
④総括
の順に記す。
(以下④まで常態)
①構築経緯・意図
初手珠ダイマドラパルト+襷エルフーン+鉢巻ヒヒダルマという並びから組んだ。
これが表選出である。
【表選出の流れ】
初手の珠ドラパで1体を倒す。
相手の後ろから出てきたポケモンがダイマックスを切ってドラパを処理しようとするため、襷を盾にエルフに引く。
エルフで追い風を発動、鉢巻ヒヒダルマの火力と技範囲で相手のダイマックスを突破。
ラスイチをダルマとドラパで削りきる。
「HPを資源に殴る詰め将棋」という言い方がわかりやすい。
【魅力】
・珠ダイマドラパルトは、対面性能が非常に高く、非ダイマポケモンには確実に殴り勝てる・ダイマの打ち合いにも強いため、ほとんどの場合数的有利から勝負が始まる。
・ヒヒダルマは「単体で見る」ことができないポケモンであるため、並びで見ようとするユーザーが多い。
しかしながら、ドラパの「ダイホロウ」によって受けが成立しないため、何かしらのポケモンを相手は切る必要がある。
よって、ヒヒダルマが一貫しやすい状況を作りやすく、その状況は勝ちを意味する。
・試合時間の圧倒的な短さによる対戦回数の施行。
・選出が固定されているが故に
「選出ミス」による負けが少ない点。
次に、初手ダイマドラパの構築によくある「ミミエルフ」との比較をする。
ドラパとミミで呪いを繋ぎ、やどまもみがわりエルフで詰めるという構築である。
【ミミエルフと比べての魅力】
・ミミエルフは「やれること」が限られている上に定数ダメージであるため、型を読まれてしまうと交換等で一気に押し切られてしまう。
・ミミエルフは、相手のdmターンを枯らすのを「ミミッキュ」で行うことになる訳だが、
ミミッキュではチイラなどを持ってしてもトゲキッス
を倒すことが出来ない。
トゲキッスは環境に非常に多い上に、ダイマドラパの天敵である。キッス入りに出しづらいのは欠点。
その他様々な派生系があるが、
・エルフーンは存在するだけで相手に対策と警戒を強いる
・ヒヒダルマの高火力と技範囲による対応範囲の広さ
などを加味し、ドラパエルフダルマという並びにすることを固定した。
さて、次に問題になるのが「裏選出」である。
ドラパエルフダルマは、順当に行けばほとんどの構築に負けないが、厄介なのは
「受け回し」
である。理由はふたつ。
①守るにより、ドラパのダイマックスターンが枯らされる・ヒヒダルマの技を見られてから行動出来るため、一貫性を切った行動を取られてしまう。
②技スペースに余裕が無いため、「身代わり」や「挑発」による対策を表選出に組み込むことが出来ない。
よって、裏選出は「受けに強い選出」にすることを決めた。
さらに、「ナットレイ」などの耐久鋼ポケモンが厳しかったため、炎技を持てて受け回しに強いポケモンを探した結果
「悪巧みラムトゲキッス」が該当した。
さて、キッスを通す上で問題になるのはみっつ。
一つ目は「どこで悪巧みを積むのか?」である。
ドヒドイデの毒を起点にするのも悪くないが、黒い霧のことを考えると安定しない。
二つ目は「襷などの行動保証にどう対応するか?」である。
受けサイクル+襷パルシェンなどが該当する。
他にも、頑丈クレベース
で強引につららばりを打たれたりもする。
三つ目は「ヒートロトム」
である。耐性上キッスに有利な火トムは、キッスが厳しい受け構築に入ることが多く、キッス入りには間違いなく選出される。
これへのアンサーを探す。答えはイワークにあった。(35‐45‐160‐30‐40‐70)
【何故イワークなのか】
まず一つ目への答えは「挑発」である。
ドヒドイデ等の低火力に対して挑発を入れることが出来れば黒い霧の懸念などなく悪巧みを積むことが出来る。
二つ目と三つ目へのアンサーは「ステルスロック」である。
襷や頑丈をステロでえぐれるのは勿論、
火トムはステロが抜群なので、受け出し可能回数が劇的に減り、トゲキッスの通しやすさが段違いに上がる。
ガラルにおいて「ステルスロック+挑発」を覚えるポケモンは禁止伝説を除くと14体である。
その中でなぜイワークなのか?
それは特性:がんじょうと素早さ種族値にある。
頑丈は全ての攻撃を一度耐えることが出来る。つまり、何があってもステルスロックを撒くことが出来る。
襷が余っていないこの構築においては、行動を保証できる唯一の手段である。
そして、イワークのすばやさ種族値は70であるため、ステルスロックを撒いたあとも「襷潰し」の攻撃や、「挑発」を打って起点範囲を広げることが出来る。
ステルスロックを撒くポケモンは、全て相手のポケモン(特にアーマーガア)に起点にされてしまうという重大な欠点を孕んでいるのだが、イワークは「最速アーマーガアより早い挑発使い」なので、その懸念が全くない。
例を出せば、バンギラスは高耐久でステルスロックと挑発を両立することができる優秀なポケモンだが、格闘が四倍弱点であり、その他の弱点もすべてメジャーである。
いくら耐久が高いとは言え、一致弱点を二回耐えるのは不可能である。
さらにここで大事なのが「先発性能」にある。
例えば、ギルガルドやホルードなどの優秀な襷枠のポケモンは先制技を持っている。
ステロを撒くのが「ドリュウズ」などであった場合、次の先制技で倒されてしまうため
「相手の襷を削るorステルスロックを撒く」のいずれかしか行うことが出来ない。
しかしながら、イワークは「頑丈」で1耐えてから回復実を使うことで次の先制技を耐えるまで回復することが出来、
「襷潰し+ステロ撒き」という行為を確実にできる点が非常に評価できる。
(襷ステロドリュウズなどを使ったことがある人なら共感していただけると考える)
以上がイワークの採用理由になる。
+という並びができたことで、最後の枠は「鉄壁」を採用した。
理由としては「トゲキッスが突破されるのはスカーフドリュウズやミミッキュなどがほとんどを占めているため、それをアーマーガアの切り返しで詰ませに行ける」
「トゲキッスは相手の受け出しを許さないため、キッスで先に相手の特殊atkを抉ってしまえばアーマーガアのみで詰みが起こり得る」
「表選出で厳しいアッキミミッキュ、すなかきドリュウズ、のろいカビゴン、グソクムシャなどを抑制し、ロトム系統を誘発する」
ためである。
アーマーガアは相手の視点でも「詰みが怖い」ポケモンなので、ロトム
やパッチラゴンなどを誘発する能力が高い。それをドラパでカモにしていくという動きが単純に強かった。
また、少しsに振ることで「アシレミミッキュカビゴンドラパ」のような並びへの確定勝利ルートを目論んだ。解答のある安心感のおかげで強気な択を通せた。詳しくは後述。
これにて
ドラパルト@命の珠
ヒヒダルマ@拘り鉢巻
エルフーン@気合の襷
トゲキッス@ラムのみ
イワーク@フィラのみ
アーマーガア@オボンのみ
という並びが確定した。
個体紹介に移る。
②個体紹介
ドラパルト@命の珠
意地っ張り
H204 A244 S60
(189-188-95-×-95-170)
逆鱗/ゴーストダイブ/鋼の翼/空を飛ぶ
Sに振っても所詮はイタチごっこであり、最速や準速ドラパミラーにしか影響がないことを考えてこの配分。
耐えられる範囲が格段に変わり、撃ち合い性能が向上するHAベース。
特化アシレーヌのダイフェアリーと珠ダメ2回くらいなら乱数で耐えられる。
Sは弱点ドラパやミラーなどを意識で最低限可能な限りあげている。
Aは244と252で変わる乱数がなかったので244。
威嚇を入れるサイクル(ウインディ、ギャラドス+残飯ガルド、ガエンミトムなど)が流行っていたのでクリアボディでの採用。
有象無象共のがんぷうやこごかぜを受けなくなったり、技の追加効果で能力が下がらなかったのがとにかく優秀だった。
裏目になるのは主にラプラスとの対面だが、すり抜けを考えるとダイマを切らない選択肢をするプレイヤーも多かったので、割り切ってダイマをしていた。
ホロウ→ホロウからのダルマ死に出しで倒せるため、致命的とはならない。
逆鱗はドラグーンにした時の乱数が大きく変わる点と、dmが切れた後に与える負荷が段違いなので採用。
炎技が欲しくなるシーンも多かった。が、
・交換読みスチルによるフェアリーへのイージー、Bアップによるミミッキュへの耐性
・s上昇によりスカーフへの役割関係の逆転を図る、リザードン対面で打ち勝てるようになる
などを考えるとこの構成からは変えられなかった。
残飯カビゴンを後投げされることが非常に多いので、積極的にドラグーンを押して崩しに行っていた。
エルフーン@気合の襷
控えめ
B20、C252、S236
(135-×‐108-141-97-166)
ムーンフォース/がむしゃら/追い風/自然の力
調整意図
C:アタッカーにもなるのでc特化。
このポケモンの火力で決まる試合も多い。
S:最速リザードン「抜かれ」調整
B:あまり
襷を盾に風を始動するポケモン。
がむしゃらによって重いポケモン(ナットレイ等)を無理やり誤魔化したり、ムンフォで1〜2タテしてくれたりと、縁の下の力持ちだった。
「自然の力」は、通信対戦だと「トライアタック」になる変化技。
エレキフィールドなら10万
ミストフィールドならムンフォ
グラスフィールドならエナボ
サイコフィールドならサイキネ
になる。
変化技扱いなので、先制でトライアタックが打てるのである。
これにより、本来勝てなかったエースバーン、リザードン、スカーフドリュウズなどに対して一応の解答を持つことが出来る。
対面性能の向上は、勝ち筋の分散に繋がるため非常に有用だった。
ヒヒダルマ@拘り鉢巻
意地っ張り
H20、A180、B52、D4、S252
(183-201-82-×-76-147)
調整意図
HB-ミミッキュの珠+4かげうち確定耐え
珠ダイフェアリーが中乱数(43.8%で落ちる)
S…最速ギャラドス抜き
A…できるだけ高く
D…余り
耐久振り鉢巻ダルマ。
エルフーンに置き土産が無い関係で、珠ミミッキュvsエルフーン対面で2剣舞を積まれるシーンが多く、それを咎められるHBライン。
耐久振りは対面性能の向上に繋がるため、これもまた構築と非常に良く噛み合っていた。
本来はA特化にしたかったが、追い風=ダイジェット二回になることから、本来の役割対象である最速ギャラドス・キッスを考えるとsは落とせなかったため、耐久に振った分だけ削っている。
しかし、火力よりも耐久の方が必要に感じる場面が多かったため、この構築においては正解の努力値振りであったように考える。
サブウェポンには命中安定で一貫性が高い地震。
火トムナットレイのような並びに打て、かつ、浮いてるポケモンへの命中安定の馬鹿力。
ギャラドスやヒートロトムへの切り返し・高すぎる一貫性という点からストーンエッジ。
を採用した。
自分より遅いポケモンにはめっぽう強いため、サイクルなどに対しても強気に単体で出せる。
イワーク@フィラのみ
陽気
H132、B124、S252
(127‐65‐196‐×‐60‐134)
岩石封じ/ステルスロック/ボディプレス/挑発
S-準速ギャラドス意識で最速
裏選出の核。
イワークにダイマックスを切ってくるプレイヤーはほとんど存在しないため、初手に来たラプラスやカビゴンなどをプレスで倒していた。
さらに、前述の通り「頑丈+フィラ」によってラプラスの礫圏内から脱するので、なんと対面はラプラスに有利である。15体ほどのラプラスを葬った。
Aが下降補正のアシレーヌのアクジェ程度ならフィラの回復だけで耐えることがある。
Aを粘ってなかったらもっと耐える。
さらに、自身のAが低すぎる(ポッポと同じA種族値である)ため、イカサマが確定五発であり、このためラスイチのブラッキー対面なども打ち勝てる。
たまにいる耐久振りリザードンに岩石封じで確定二発を取れない。
その程度の火力であるため、リザードン対面はむしろ不利なのだが、タイプ相性をご存知の優秀なプレイヤー達は後ろに引いてくれるためステロがぶっ刺さっていた。
キッスだけではなく、イワークからドラパルトを展開するのも強いことを知ってからはかなり出しやすくなった。
このイワークの調整はパチリストさんのこちらの記事を参考に振り分けられています。
http://ptrst102.hatenadiary.jp/entry/2020/01/06/210131
宜しければご覧下さい。
(引用許可は頂いております)
トゲキッス@ラムのみ
控えめ
H4 cs252
(161-49-115-189-135-132)
エアスラ/マジシャ/放射/悪巧み
Vs受け回しのコマ。エアスラが強すぎてフォロワーを失った。
+1で準速ドラパを抜ける恩恵が耐久振りのそれを上回っていたためcs。
ナットレイを安定して処理したいので安定の放射、バンギやドラパへの打点としてフェアリーを入れていた。
マジシャ→原子の力にするとさらに受け回しへ安定したかもしれない、というのは今書きながら気づいたことである。
使う人がいるならそっちの方がいいと思われる。
ラムが全く警戒されず、全ポケモンがあくびを押してきたため、それを起点にジェット連打でイージーを拾うことも少なくなかった。
アーマーガア@オボンのみ
腕白
アイアンヘッド/ボディプレス/鉄壁/羽休め
H252、B172、S84
ミミッキュ、カビゴン、ドリュウズ等への見せ合いでの選出圧力と、ドリュウズ受けをすることが仕事。
選出率は圧倒的最下位。しかし、選出圧力が強く、抜けなかった。
③選出
基本選出
ドラパ+エルフ+ダルマ
Vs受け気味のサイクル
HDっぽいピクシーがいない場合
→イワキッスダルマ
ピクシーがHDっぽい場合
→イワークドラパダルマ
Vsキリキザン入り
被選出率(上の方だけ)
被選出率:54/54(うち11の襷を確認、17の残飯を確認)
初手率:47/54(うち9の襷を確認、12の残飯を確認)
統計を取っている間のほとんどの試合で選出された。
基本的には初手ドラパを合わせて倒す。
カビゴン→
被選出率:31/46(うち24の残飯を確認)
初手率:3/46(うち2の残飯を確認)
キッスと並んでダルマ受けとして出されることが多い印象。
アマガを入れる前は18/19だったので明らかに有意差が見られる。
挑発にしろプレスにしろ、単体では戦えない点を嫌って投げられづらくなったのだろうか。
被選出率:9/11
初手率:8/11
わかってる人はイワーク対面でジェットを押す。
ドラパを合わせればただの起点(ジェット→ホロウで倒せる、その上に向こうは突っ張りジェットであるため、dmも吐かせられる)なのでそんなに苦労はしなかった。
被選出率:22/43(うち7体のアッキを確認、うち4体の珠を確認)
初手率:6/43(うち2体のスカーフを確認、うち2体の電磁波を確認、うち1体の球を確認)
スカトリっぽいミミッキュならドラパから入って、初手に来たらジェットから入って相手をする。イワークがトリックされるとめちゃくちゃめんどくさい。
アッキが余りにも多く、ダルマで見るはずのポケモンが逆に倒されるのは悲しい気持ちになった。
ちなみにアマガを入れる前は52/60だったので、明らかに有意差が出ている。
被選出率:5/5(うち2体の火炎玉を確認、うち1体のアッキを確認)
初手率:0/5
ドラパのdmを枯らされた後に出てくると負け。
正直いちばん重いポケモンだったが、数が多くなかったのが幸いした。
エルフでがむしゃらを混ぜて削る。トリルがあると負け。割り切り。
④総括
この構築はひらりん(@LegendofHirary)と一緒にシーズンの頭から掘り下げ続けてきたものだったので、とても感慨深いです。
彼のおかげでこの結果を出せたと思っているので、感謝の念が尽きません。ありがとう。